ライターと蔵元の新酒の会
2012-03-07



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夕張郡栗山町の小林酒造では、三月二日に甑倒し(こしきだおし)が行われた。甑とは酒米を蒸す桶のことで、甑倒しとは、秋から行われていた酒造りの完了を象徴した言葉である(写真は栗山の小林酒造記念館の二階にある、甑倒しの宴を再現した展示)。

十七、八年前にこちらを取材した時からのご縁で、四代目からは札幌の直営の酒亭『七番蔵』創業(二〇〇三年九月)のお手伝いをさせていただいた。わが『もっきりバル 風の色』(二〇〇九年十二月〓二〇一一年九月)の酒はもちろん北の錦だった。

毎年四月に行われる蔵まつり(今年は十四日/土と十五日/日)の際には、敷地内にあり、重要文化財に指定された本家に小林家の客人として特別に招き入れられ、まさに写真のような塗りの膳と器でもてなしてくださる。祭りの喧噪が嘘のような静かな時間に加えていただける光栄は、僕をかなり有頂天にさせる。

現専務取締役で弟の精志さんは、北の錦と日本酒、その文化を超熱血的に愛する奇想天外なアイデアマン。二〇一〇年七月に酒場詩人・吉田類さんの俳句の会北海道上陸を記念した講演会とトークセッションを企画した時、前日の吟行(俳句を詠むための旅)を快く受け入れ、北の錦のみならず、酒粕を使用した珍しい鍋などの蔵人料理で一行をもてなしてくださったのは、他ならぬ精志さんである。

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二月中旬、精志さんから便りが届いた。
昨晩行われた宴のお誘いの便りである。

【ライターと日本酒の会のお知らせ】

 こんにちは。
 小林酒造の小林精志です。

 とっても唐突なお話があります。
 私は、これまでいっぱいの日本酒のイベントを開催して
 それで、今までいろいろなご職業の方とご縁を頂いて参りました。

 それで【お酒が取り持つ人の縁】が、やっぱり大切だよな。
 とか思います。
 たかが飲み会、されど飲み会。
 その中にも、なにか脳みその奥底で、いろんな【発想】とか、【ひら めき】とか、そういうのが人と人との関係性の中で、生まれてジュク ジュクと育っていくような気がします。

 それで本題です。
 かねがね、ライターさん。
 すなわちペンを持つ事が多いご職業の方と、私は凄くお話をしてみた いです。というか、私がこれまで頂いたご縁のあらゆる職種のライ  ターさんを集めたらどうなるだろうか。

 全部、違う職種のライターさんが集まる会は、おそらくないと思いま す。そう思って、いつか実現しようと思っていました。

 単に宴会じゃなく、きちんと話が届く範囲(8人くらい)の人数で
 心地良いお酒の2時間を作ってみたいのです。


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